経済成長すれば、失業率は低くなる?

grh_20140406.jpg「経済成長してGDPが大きくなれば、雇用は守られ失業者は減るに違いない」と考えている人は多いのではないでしょうか? だからこそ、経済成長によって地球の資源が枯渇していくことがわかっていながら、「経済成長が優先」と考える人が多いのかもしれません。それでは、実際はどうなのでしょうか? GDPと失業率の関係を表したのが、このグラフです。

赤い線はGDPの金額を表しています(左軸)。緑色の線は完全失業率を表しています(右軸)。完全失業率とは、15歳以上の労働力人口のうち、職がなく求職活動をしていて、すぐに仕事に就くことができる人の割合を示す数字です。

グラフをみると、1980年代後半から1990年代頭のバブル経済の時期には、「GDPが増え、失業率が減る」傾向が見られるものの、その他の期間をみると、GDPと完全失業率の関係はまちまちであること、そして全体として1970年と2012年を比べると、GDPも完全失業率も高くなっていることがわかります。

つまり、大方の予想(希望?)に反して、「GDPが増えても、失業率は減っていないどころか、GDPが低かったかつてよりも高くなっている」のです。