100人それぞれの「答え」

写真:丸原 孝紀さん

073

POZIプランナー、greenz.jpライター

丸原 孝紀(まるはら たかのり)さん

経済成長は社会の成長とイコールではない

Q. 経済成長とはどういうことですか、何が成長することですか

一般的にはGDPなど、通貨の動きを表す数値が成長することが「経済成長」だとされています。それは社会の成長とイコールではないと思いますが。

Q. それは望ましいものですか、それはなぜですか

自然資本の範囲内での成長は、人の生活を豊かにするものであり、望ましいと思います。
しかし、通貨の動きには不必要な公共事業や軍事費なども含まれるため、一概に望ましいとも言えません。

Q. それは必要なものですか、それはなぜですか。必要な場合、いつまで、どこまで、必要でしょうか

社会が豊かになるためにある程度までは必要だと思います。
しかし、格差が大きくなり、奪い合いが起こるまでになると、それは成長とは言えないと思います。

Q. 経済成長を続けることは可能ですか、それはなぜですか

数字の上での成長は無限に可能ですが、自然は有限なので実際は不可能です。

Q. 経済成長を続けることに伴う犠牲はありますか、それは何ですか、なぜ生じるのですか

自然が奪われ、人が酷使されます。そしてそれが社会を不安定にします。
数字の上での限りない成長を追い求める動きに、自然も人も耐えられないからです。

Q. 日本がこれまで経済成長を続ける中で失ったものがあるとしたら何でしょうか

四季の変化を愛でるゆとり、家族の団らんを楽しむ時間。
豊かな自然環境、地域の人とのつながり。
譲り合い、分かち合う心の余裕。

Q. 「経済成長」と「持続可能で幸せな社会」の関係はどうなっていると考えますか

現状はお互いに対立するところがありますが、このままでは破局を免れないため、持続可能な経済へのシフトを迫られるようになると思います。問題は、気候変動に見られる環境破壊と、テロや紛争などの社会不安が急速に深刻化しつつあるので、時間切れになる恐れがあることです。
目先のことだけでなく、先を見通して行動することが必要だと思います。


インタビューを終えて

「経済成長は社会の成長とイコールではないと思う」とのコメント、そのとおりだと思いました。今は、経済成長は社会の成長でもあるかのような、社会全体にとっての望ましいイメージがあるように思いますが、「経済成長」と「社会成長」を分けて考えること、とても大事なアプローチだと思います。
「A国の2015年度の経済成長率は△%でしたが、社会成長率は×%でした」なんて報道がされるようになったら、ものの見方もずいぶん変わるような気がします。社会成長率、計算できないかな?

取材日:2015年2月20日


あなたはどのように考えますか?

さて、あなたはどのように考えますか? よろしければ「7つの問い」へのあなたご自身のお考えをお聞かせ下さい。今後の展開に活用させていただきます。問い合わせフォームもしくは、メールでお送りください。

お問い合わせフォーム(幸せ経済社会研究所)

i_mail.png