100人それぞれの「答え」

写真:小柴 禧悦さん

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小柴 禧悦(こしば きよし)さん

「経済成長」は「幸せな社会」の必要条件であったが、持続可能という条件が加われば、あり得ないことになる

Q. 経済成長とはどういうことですか、 何が成長することですか

経済規模を拡大することであるが、GDPを指標として測るのは時代にそぐわなくなっている。

Q. それは望ましいものですか、 それはなぜですか

人の生活を豊かで幸せにするためには経済成長は望ましい。

Q. それは必要なものですか、それはなぜですか。 必要な場合、いつまで、 どこまで、必要でしょうか

生活を豊かにするために必要ではあるが、欲望の赴くままで良いはずはない。 豊かさと幸せの関係は複雑である。

Q. 経済成長を続けることは可能ですか、 それはなぜですか

地球は有限であるから、限度があり不可能である。

Q. 経済成長を続けることに伴う犠牲はありますか、 それは何ですか、 なぜ生じるのですか

自然資源が浪費されて、自然が荒廃している。 それはGDPによる成長至上主義が起こしている。また、人心の荒廃も招いている。

Q. 日本がこれまで経済成長を続ける中で失ったものがあるとしたら何でしょうか

第1 次産業の衰退・・・食糧自給率の低下。 グローバル化によって日本的良さの喪失・・・雇用の変質、中小企業の減少。

Q. 「経済成長」 と 「持続可能で幸せな社会」 の関係はどうなっていると考えますか

「経済成長」は「幸せな社会」の必要条件であったが(十分条件ではない)、持続可能という条件が加われば、あり得ないことになる。 有限な地球上で唯一無限な資源である太陽光を始めとする持続可能エネルギーを活用することが必須条件であろう。 例えば光合成のブレークスルー。


インタビューを終えて

昭和10年生まれの小柴さんは、高度経済成長を支えてきた世代です。37年間、技術者として企業を勤め上げて定年退職したあと、環境英語の翻訳の勉強を始められ、また私の主宰するNGO・ジャパン・フォー・サステナビリティの和文チームの中核メンバーとして、これまでの12年間にニュースレター記事10本を含む通算444本の記事を書かれ、世界への情報発信を一緒に進めてくれています。

「人の生活を豊かで幸せにするためには経済成長は望ましいが、地球は有限であるから、経済成長を続けることは不可能である」――戦後の経済成長があったからこそ、私たちの生活は豊かになったけれど、地球の有限性から続けることが不可能であるとしたら、どこに向かってどのようにシフトしていけば良いのでしょうか?

あちこちの地域でさまざまな規模で始まっているそうした動きや模索を、小柴さんたちが書いてくれる記事を通じて世界と共有し、一緒に考えていきたいと思っています。

取材日:2015年1月18日


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