100人それぞれの「答え」
057
暮らしかた冒険家
伊藤 菜衣子(いとう さいこ)さん
経済成長とは、みんなで見ている夢。
- Q. 経済成長とはどういうことですか、何が成長することですか
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みんなで見ている夢。
みんなのしあわせが増えること、であってほしいけれど、実態は、お金を持つ人がどんどんお金を増やし、成長させること。 - Q. それは望ましいものですか、それはなぜですか
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現状の経済成長の恩恵は、そもそもわたしにはほぼ巡ってこない。
その上、お金に換算されない"私的超絶価値があるもの"ないがしろにされているので、 わたしにとっては望ましくない。
たとえば、ちゃんとつくられたおいしい食べもの、丁寧に手入れされた森や水源など。 - Q. それは必要なものですか、それはなぜですか。
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わたしにはもう必要じゃないけれど、必要なひとはたくさんいると思う。"夢"だから。
- Q. 経済成長を続けることは可能ですか、それはなぜですか
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資源は限られているし、人口も減っているだけでなく、
「経済成長すればしあわせなひとが増える」ということに疑問を持つ人が増えているから、成長し続けることは難しいと思う。
そんな"夢"から覚めた人が増えれば増えるほど、経済成長は難しくなると思う。 - Q. 経済成長を続けることに伴う犠牲はありますか、それは何ですか、なぜ生じるのですか
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生きていく上で重要な多様性や価値のあることがないがしろにされていく。
数字に変換できない価値だから。 - Q. 日本がこれまで経済成長を続ける中で失ったものがあるとしたら何でしょうか
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生き方の多様性。生きていくための知恵。
- Q. 「経済成長」と「持続可能で幸せな社会」の関係はどうなっていると考えますか
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どちらも、信じるひとが多ければ実現する"夢"。
インタビューを終えて
菜衣子さんは、2003年から10年間、私も呼びかけ人代表の一人として展開してきた「100万人のキャンドルナイト」の若手メンバーの一人として出会いました。呼びかけ人代表たち(上の世代の人々)が東京ベースで活動を続けるのを尻目に、若手メンバーは次々と東京を離れ、海士町へ、岐阜へと地方にI/Uターンし、「エダヒロさん、まだ東京にいるんですか?」と尋ねるほど。菜衣子さんたちも熊本の古民家に移り住み、家のリフォームもみんなに手伝ってもらって自分たちで行い、「これからのフロンティアは暮らし方にある!」と暮らしかた冒険家としての活動を展開しています。お話を聴くたび、わくわくします。
その菜衣子さんにインタビューに答えてもらいました。
「経済成長とは、みんなで見ている夢。わたしにはもう必要じゃないけれど、必要なひとはたくさんいると思う。"夢"だから。」――うーん、とうなりました。経済成長を「夢」という言葉で語る人は初めてでした。その夢から醒める人が増えてきている。それにしたがって、経済成長は難しくなっていくだろう。とっても大事な本質を突く考え方を聴かせてもらえて、またまた考えが深まりました。赤ちゃんが生まれてお母さんになった暮らしかた冒険家の今後の活動と思索が楽しみです。
取材日:2015年2月7日
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