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Case.6

勤務時間と給料、どちらを選ぶ?~カリフォルニア州アマドール郡の事例~

米国カリフォルニア州アマドール郡が2009年にやむなく導入した勤務制度が思わぬ結果をもたらした、ということで注目されている。

2009年、財政難の州政府による州内各郡への補助金削減を受け、アマドール郡は今まで以上に少ない予算で厳しい財政を乗り切る方法を探さなければならなくなった。

そこで郡は、職員の勤務を週4日、1日9時間とし、就労時間1割減に比例して給料も1割減らすことにした。この制度改正に職員を代表する労働組合は反発したが、「そうしなければ職員解雇をせざるを得なくなるが、解雇はしたくない」という郡側の主張に、2年だけという条件付きで合意した。

2年後の2011年、郡側は「週5日制に戻り給料も上がるが、職員は一部解雇する」または「給料は減ったままだが週4日制を維持する」という選択肢を提示。労働組合は組合員である職員に直接相談することなく、週5日制に戻ることを選んだ。

しかし、しばらくすると職員たちは考え直すようになった。実は職員の多くが週4日制になって増えた自分の趣味や家族との時間を楽しんでおり、給料が減って失ったものよりも時間が増えて得たものの方が大きかったことに気が付いたのだった。

そして、職員たちは労働組合に週4日制復活を問う票決を行うよう圧力をかけ、同年8月に組合が行った組合員投票では、71%が「減給となっても時短勤務制に戻る」を選んだのだった。

このアマドール郡の試みでは、職員のほとんどが勤務時間の短縮を好むことが明らかとなり、雇用も維持できた。多くの人が「お金がもっとあれば幸せになれる」と信じているが、この事例は必ずしもそうではないことを示している。

 

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