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Case.18

英国:「食料貧困」と「自己実現」に取り組むコミュニティ・ショップ

(コミュニティ・ショップのサイトより)

2013年12月に英国のサウス・ヨークシャー、ゴールドソープに第1号店が開店したコミュニティ・ショップは、現在、英国中で次々に誕生しつつあります。

コミュニティ・ショップは、食料の生産者から消費者にいたる過程で生じる余った食べ物を、食料を満足に買う余裕のない人々に割引価格で提供するお店です。小売店では扱うことの出来ない余剰食品を、通常の小売価格より最大70パーセント引き下げて提供します。
余剰食品の発生は、ラベルの貼り間違い、短い消費期限、予測違い、注文の取り消しなど多くの理由から避けることが出来ません。こうした食品は、再分配されなければ捨てられることになります。コミュニティ・ショップではまだ十分に食べられる食品を、それを必要としている人々に消費してもらうことで、そういった事態の回避に努めています。つまり、「食料の無駄」と「食料貧困」という英国が直面している2つの大きな課題に取り組んでいるのです。

しかし、コミュニティ・ショップが提供しているのは単に食料だけではありません。フードバンクが提供するような単なる食料危機に対する支援ではないのです。コミュニティ・ショップの会員になった人はみな、最初の4週間「サクセスプラン」と呼ばれるプログラムに登録します。そこでは、専門スタッフの助けを借りながら会員1人1人が自分の目標実現の妨げとなっているものを特定し、その目標達成のための支援サービスを受けることになります。専門スタッフはその地域のさまざまな団体と密接に協力しながら、教育プログラム、家計や借金に関するアドバイス、雇用適正トレーニング、料理教室などを提供します。

ですから各ショップは、スタッフが会員とよい関係を築き、それぞれの会員に合わせた支援プログラムを通じて各会員にもたら効果を最大限にするため、登録会員の数をたいてい500人~750人にしています。コミュニティ・ショップの会員になるには、そのショップの管轄区域に住み、特定の補助金を受けていること、そして何より人生において前向きに変わろうとする意欲があることが必要です。

また、「サクセスプラン」に登録する会員は、自分自身を見つめると同時に、会員同士互いに助け合うことにも同意します。それがひいては、よりしっかりしたコミュニティの構築につながることになります。

コミュニティ・ショップはこれまでにも、就職であれ、経済的安定の確保や月々の貯蓄額の増加であれ、あるいは自信の獲得であれ、多くの会員が人生を良い方向に変えるための支援をしてきました。大半の会員が将来に対して以前より前向きになったと感じています。さらに、そうした好ましい影響は会員だけにとどまらず、その家族や友人など周囲の人々にも及んでいるのです。

 

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