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社会関係資本(Social Capital)

社会関係資本とは、他の人に対して抱く「信頼」や、持ちつ持たれつなどの言葉で表現される「互酬性の規範」、そして人々の間の絆である「ネットワーク」のことを指す言葉です。市場では評価されにくい「集団としての協調性」を生み出します。


たとえば、大きな震災が起こったとき、日本では経済的な利害関係とは無関係に「お互い様だから」と助け合う姿がよく見られます。これは日本における社会関係資本の厚みを示しています。社会関係資本が脆弱である場合には、このような助け合いは行われず、商店の略奪などが起こる可能性があります。


このように、社会関係資本とは、複数の個人からなるコミュニティの中で成立するものです。犯罪率をはじめとする地域の安定や、教育水準、健康などとも関係していると考えられています。


なお、Social Capitalの直訳は「社会資本」ですが、道路などの社会インフラと誤解されやすいために、「社会関係資本」という言葉が定訳になりつつあります。


□参考:『ソーシャル・キャピタル入門――孤立から絆へ』(稲葉陽二著/中公新書)

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