人間開発指数(HDI)
人間開発指数(HDI)は、国内総生産(GDP)などの経済的側面だけに着目した指標とは大きく異なり、各国の人間開発の度合いを測る新たなものさしとしての包括的な経済社会指標です。1990年の人間開発報告書創刊版以降、毎年発表されています。
HDIは各国の達成度を、長寿、知識、人間らしい生活水準の3つの分野について測ったもので、0と1の間の数値で表されます。1に近いほど、個人の基本的選択肢が広い、つまり人間開発が進んでいることになります。
HDIの国別順位は、保健、教育、所得に関する最新の国際比較可能なデータに基づいて毎年算出し直されています。2011年版人間開発報告書(HDR)によると、上位3カ国は、ノルウェー、オーストラリア、オランダ、下位3カ国はコンゴ民主共和国、ニジェール、ブルンジとなっています。
HDIは国単位の平均値という性格上、国の中で人間開発の水準に不平等があっても値に反映されないため、2010年版の人間開発報告書(HDR)より、HDIを補完することを目的として、不平等調整済み人間開発指数(IHDI)、ジェンダー不平等指数(GII)および多次元貧困指数(MPI)が新たに導入されています。