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スティグリッツ報告書

2009年9月に発表された「経済パフォーマンスと社会の進歩の測定に関する委員会(CMEPSP)」による報告書(通称「サルコジ報告」)です。

CMEPSPは、2008年2月にサルコジ仏大統領の諮問によって設立された委員会です。ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ教授(コロンビア大学)が委員長を、アマルティア・セン教授(ハーバード大学)がアドバイザーを務めるなど、米、英、仏、印の専門家25名が参加し、世界的な注目を集めました。

「GDPの問題点」「生活の質」「持続可能な開発と環境」という3つのテーマを設け、検討を進め、将来的な指標に必要とされる12の要素について提言がなされました。

  • ストックとフローを分けて考える
  • 時間軸の観点を採り入れる
  • 社会全体を見るなら、平均値では全体像はわからない。分布や底辺を見よ。
  • GDPは生産の尺度。市民の幸せ(物質的な生活水準にしても)にとっては、生産より所得と消費の関連性が大きいのだから、そちらを見るべき。
  • GDPが間違っているわけでなく、GDPの使い方が間違っている。

など、示唆に富んだポイントがいくつも示されており、指標や、社会の進歩や幸せについて考えるうえで、とても参考になります。


□参考:
http://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h22/html/hj10010504.html
http://www5.cao.go.jp/keizai2/koufukudo/shiryou/1shiryou/7.pdf

□報告書:Report by the Commission on the Measurement of Economic Performance and Social Progress
http://www.stiglitz-sen-fitoussi.fr/documents/rapport_anglais.pdf

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