消滅可能性都市
消滅可能性都市とは、政策提言機関の「日本創成会議(座長・増田寛也)」による用語で、2010年から2040年までの間に、20歳から39歳までの女性の人口が5割以下に減少すると推計される市区町村を指します。2014年5月に発表されたこの推計と提言は「増田レポート」と呼ばれることもあります。
推計によると、消滅可能性都市は全国の869市区町村(全体の49.8%)にのぼることから、この発表は日本中に大きな衝撃を与えました。
若年人口が減少すると、出生率が上昇しても、人口規模を維持することは難しくなります。たとえば、日本全体の合計特殊出生率をみると、2012年の1.41に対し、2013年は1.43とわずかに改善しています。しかし出生数をみると、2012年は103万7,231人、2013年は102万9,800人と生まれた子どもの数そのものは減少していています。これは、子どもを産むことができる人口が減少していることが原因です。このために日本創成会議では、若年の女性人口に注目しているのです。
日本では、東京への人口の一局集中が進んでいますが、地方の若者人口を増やすために、若者にとって暮らしやすい環境を作ることが各地域に求められています。
*出生率と出生数のデータ
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai13/dl/kekka.pdf
参考文献:増田寛也編著, 2014,『地方消滅』, 岩波書店