VUCA
最近、「VUCAの時代」という言葉をよく耳にします。VUCAとは、「社会の変化が激しく、先の見通しを立てることが困難な状態」を指す言葉です。Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取ったもので、元々、米国で軍事用語として誕生した言葉ですが、現在ではビジネスの世界でよく使われています。
この4つの要素について、ひとつひとつ見てみましょう。
Volatility(変動性)
Volatilityは、揮発性や落ち着きのない性質、変動などを意味する英単語です。例えば、IT技術やインターネットの発展により、口コミがマーケティングに大きく影響するようになりました。消費者の価値観も多様化しています。Volatilityはこのような変動する状況を示しています。
Uncertainty(不確実性)
豪雨などによる土砂災害や浸水被害、熱波など、予期せずに生じる災害の影響は計り知れず、ビジネスはもちろん、日常の生活に大きな影響を与えます。新型コロナウイルスの影響も不確実な出来事の一つです。
Complexity(複雑性)
「風が吹くと桶屋が儲かる」という言葉がありますが、現在のグローバル化が進んでいる社会では、私達が毎日食べたり使用したりしている商品の多くは、原産国と加工国が異なるなど、長いサプライチェーンを経て、私達の手元に届きます。しかも、世界規模で変動性と不確実性が高まっています。こうした社会では、自分の周りや日本国内の動向だけではなく、世界の動向に目を向ける必要があります。
Ambiguity(曖昧性)
変動性や不確実性、複雑性が大きい社会では、「どういう結果になるのか」を見通すことが難しくなります。これまでの成功体験が通用せず、世界状況や消費者の価値観の変化を考慮する必要があり、また突発的なリスクを考慮した経営が求められています。
このように、変動して不確実で複雑で曖昧な、先の見通せない時代を生き抜いていくには、複雑性をつくり出している構造に目を向けること(=システム思考)と、ぶれない軸(=ビジョンやよりどころとなるもの)を持つことが、個人にとっても組織にとっても、地域や社会にとっても重要だと考えています。ちなみに、幸せ研の読書会も、経済や社会の構造を理解し、本当の幸せを考えることでぶれない軸をはぐくんでいくことを目的として開催しています。