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地球の境界(プラネタリー・バウンダリー)2023年版

2023年9月、最新の「地球の境界(プラネタリー・バウンダリー)」が発表されました。2009年2015年に続き、今回が3回目の発表です。

「地球の境界(プラネタリー・バウンダリー)」とは、「その境界内であれば、人類は将来世代に向けて発展と繁栄を続けられるけれども、それを越えると、急激な取り返しのつかない環境変化が生じる可能性がある」境界のことです。

図1は2023年版の「地球の境界」の全体像を示しています。上から時計回りに「新規物質の導入」「成層圏のオゾン層の破壊」「大気エアロゾルの負荷」「海洋酸性化」「生物地球化学的な流れ」「淡水の変化」「土地システムの変化」「生物圏のインテグリティ(完全性)の変化」「気候変動」の9つの境界が配置されています。

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2023年版では初めて、「新規物質の導入」と「大気エアロゾルの負荷」を含めた全9領域の評価が行われました。その結果、6つの領域(「成層圏のオゾン層の破壊」「大気エアロゾルの負荷」「海洋酸性化」以外の領域)で境界を越えていることが明らかになりました。

2009年版は3領域、2015年版は4領域、そして2023年版は6領域と、更新されるたびに境界を超える領域が増えています(図2)。

kwd_20240704_02.jpg境界を超える領域がこれ以上増えないように、そして減らしていくために、実効性のある対策を策定・実行していかなくてはなりません。

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