研究報告:幸福度を左右するのは収入よりも社会構造や自然
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(サイエンティフィック・アメリカンより)
米国科学雑誌『サイエンティフィック・アメリカン』は2月22日付けのブログで、新たな研究により従来国連が使用してきたGDPよりも社会的要因や自然要因が国家の幸福の指標としてさらによいことが分かったと伝えた。
カナダ・ブリティッシュコロンビア州の研究機関、Sandhill Institute for Sustainability and Complexityの科学者Roly Russell氏によれば、国の人的資本(社会構造)と自然資本(自然界)は金融資本(収入)よりも幸福度の決定への影響力が大きいという。同氏は2月16~20日にカナダのバンクーバーで開催された米国科学振興協会(AAAS)年次総会で調査データを発表した。
提示された123カ国中、生活満足度で最高得点を得たのは、GDPでは世界で3番目に低いコスタリカだった。同国民の幸福度を決定する主要な要因は、強力な社会支援ネットワークだった。
国が幸福度を向上させる政策を策定しようとするときには、事実上の予測因子としてGDPのみを用いることから脱しなければならない。そうすれば、私たちの「発展」像を単なるGDP向上の枠を超えるものとして拡大していける。人的資本・自然資本といった要因を測ることは難しいが、測りにくいものこそ最も重要なのかもしれない。Russell氏は結論としてこのように述べている。