人口増加に伴う資源利用の増加が、地球環境を圧迫している:WWF報告書
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(世界自然保護基金より)
スイス、グラン発-世界自然保護基金(WWF)は5月14日、地球の健康状態に関する調査報告書『生きている地球レポート 2012年度版』を発表した。人口増加に伴う資源需要の拡大が、地球上の生物多様性に途方もない圧力をかけ、人類の将来の安全、健康、幸福を脅かしていると警告している。
同報告書が用いている「生きている地球指数」は、地球の生態系の健康状態の変化を測る指標で、2,600種以上9,000の個体群を追跡調査して算出したもの。今回の報告書では、1970年と比較して30%近く減少。特に熱帯地域では、過去40年足らずで60%低下している。
「エコロジカル・フットプリント」は、人類の自然資源に対する需要がいかに持続不可能であるかを示す指標。「我々は、まるで地球がもう一つ存在するかのように暮らしているが、地球が提供できる量よりも50%多く資源を消費している。この傾向を変えなければ、2030年までには地球が2個あっても足りなくなるだろう」と、WWFインターナショナルのジム・リープ事務局長は語る。
報告書は、富裕国と貧困国の格差も浮き彫りにしている。高所得国の「エコロジカル・フットプリント」は、低所得国に比べ平均で5倍に達する。ただし、「生きている地球指数」を見ると、1970年以降の生物多様性の減少は、低所得国で最も急速に進んでおり、最貧国や最脆弱国が富裕国のライフスタイルを支えていることを示している。