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2012.07.02

研究報告:中国の経済成長は、中国人により大きな生活満足度をもたらしているわけではない

研究報告:中国の経済成長は、中国人により大きな生活満足度をもたらしているわけではない

イメージ画像:photo by ginny russell. Some Rights Reserved.
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(南カリフォルニア大学より)

中国では、空前の勢いで経済成長が進んでいるにもかかわらず、中国人は全般的に20年前ほど幸福ではない--「イースターリンのパラドックス」で知られる「幸福の経済学」の創始者の一人、経済学者のリチャード・イースターリン氏が新たな研究成果を発表した。米国・南カリフォルニア大学が5月14日付のプレスリリースで伝えている。

中国の経済改革が開始された1990年当時、中国人の最高所得層の68%、最低所得層の65%が、高い水準の生活満足度を示していた。しかし、この20年の間に、最低所得層の間で生活満足度が劇的に低下している。これは、雇用見通しと社会的セーフティネット消失に対する不安の増大を反映したものとみられる。

2010年の調査では、高い水準の生活満足度を示した最低所得層の割合はわずか42%で、20年前に比べ23ポイント以上低下した。一方、今の生活に満足していると答えた最高所得層の割合はおよそ3ポイント上昇し、71%だった。

「幸福は、経済成長の分だけ増大し、経済成長が早いほど人々は幸福になると信じている人が多い。中国は、人々のそのような期待を検証するのに、最適な国である」と、イースターリン氏は話す。

「しかし、一人当たり消費量が莫大に増え、幸福への期待が大きかった中国において、生活満足度が著しく増加している証拠はない。むしろ、全体的に見ると、人々の幸福度はやや低下している。生活満足度という観点からは、世界で最も平等な国の一つであったのに、今や最もレベルの低い国の一つとなっている」と同氏は語る。

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