国連、「包括的な豊かさに関する報告書」を発表
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(地球環境変化の人間社会的側面に関する国際研究計画より)
地球環境変化の人間社会的側面に関する国際研究計画(IHDP)は6月17日、ブラジルで開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)において、「包括的な豊かさに関する報告書(IWR2012)」を発表した。
この報告書は、各国の生産基盤と経済発展との関連性の総合的分析を基に、人間の幸福度と持続可能性に関する長期的視点を提供する枠組みを示すもの。国内総生産(GDP)や人間開発指数(HDI)といった現在の経済生産指標は、自然資本の状況や生態学的状態を反映したものではなく、短期的視点のみに焦点を当てたものであり、不十分であるとの認識に立って作成された。
IWR2012は、包括的な豊かさの指標(IWI)を採用しているのが特徴。この指標は、人工資本・人的資本・自然資本を含めた各国の資本資産と、その換算値を検証することによって国の豊かさを評価するもの。報告書では、G20諸国の1990年から2008年までの包括的な豊かさの推移とともに、GDPとの長期比較を示している。
同報告書は、2年ごとに発行され、各国の生産基盤の状況を評価するための実践的枠組みを政策立案者に提示する予定。また、持続可能な発展を実現するために、どのような形の資本投資がなされるべきかについての指針も提供する。