（「成長を超えた生き方」プロジェクトより）

「成長を超えた生き方」プロジェクトの５月18日付け記事によると、ブータンのブータン研究所は、国民総幸福度（ＧＮＨ）の考え方の背景や測定方法を示した「ＧＮＨとＧＮＨ指数：国民総幸福度指数への短いガイド（GNH and GNH Index: A Short Guide to the Gross National Happiness Index）」を発表した。内容は、ＧＮＨの発端に関する情報やブータンで初めて正式に全国規模で行われた「2010年ＧＮＨ調査」に焦点を当て、ＧＮＨ指数、９つの領域、合計33個ある各領域の指標等についても説明している。

同ガイドによれば、９つの領域は、心理的幸福、時間の使い方、地域社会の活力、文化の多様性、生態系の回復力、生活水準、健康、教育、ガバナンスと多次元的である。著者は「幸福そのものが多次元的」であり、「幸福の追求は、個人によって深く体験できるものでありながら、共有するものだ」と指摘している。

また、ＧＮＨ指数は、政府による政策決定の際に便利な複雑な評価基準だが、構成要素に分解すれば他の組織や個人でも利用が可能とも強調。一方、ＧＮＨ調査の結果は、不幸が生じている場所や「まだ幸福でない層」の特定、そして彼らの状況を改善するために使うこともできるという。