2013.02.18
世界の賃金、先進国と新興国で大きく異なる動向
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(国際労働機関より)
国際労働機関(ILO)の最新の『世界賃金報告』によると、先進国と新興国では賃金に関する動向に大きな違いがあるという。
新興国の実質賃金は高い上昇率を維持しているが、先進国では経済危機時の水準をかなり下回っているという。例えば、2011年の月額平均賃金(インフレ調整後)は世界全体では1.2%上昇しているが、ここから賃金の伸びが著しい中国を除くと0.2%になるという。
また2000年から2011年にかけての累積賃金(2000年を100としてみた賃金額)には特に大きな地域差が見られるという。世界全体では実質月額平均賃金の上昇率は25%程度であったが、地域別に見るとアジアではほぼ倍増しているのに対して、先進諸国の上昇率は約5%であった。
このように新興諸国では賃金は上昇している。ただし賃金水準には地域によりかなりの開きがあるという。製造業に従事している労働者の賃金をみると、フィリピンでは時給は税引きで約1.40米ドルであった。それに対しブラジルでは時給5.40米ドルが直接支払われているという。またギリシャでは13.00米ドル、米国では23.30米ドル、デンマークでは34.80米ドルが支払われているとのこと(為替レートは2010年時点のもの、小数点切り上げ)。
- この記事の原文(英語)を読む
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/downloads/2012gwr-s.pdf - 参考:Global Wage Report 2012/13: Wages and Equitable Growth
http://www.ilo.org/global/research/global-reports/global-wage-report/2012/WCMS_194843/lang--en/index.htm