（Our World 2.0より）

ますます拡大し、重要性を増している世界各地の都市は、グリーン経済の育成において恐らく唯一の最も重要な存在である──こう論ずる記事が２月11日付けで国連大学発行のウェブマガジン「Our World 2.0」に掲載された。

同記事によると、世界人口の過半数が住み、世界の経済や政策決定力が集中する都市は、地球上で占める割合がわずか２％程度なのに地球資源の75％を消費している一方、社会・政治活動の中心地、技術の知識や革新の中枢として、グリーン経済の強力な推進力になりうるという。

また、「人の幸福を確保しながら、自然資源を持続可能な方法で利用するための新たな道」が都市部のグリーン経済発展であるとし、それを実現するための最大の課題の１つは、都市開発政策の主眼を国内総生産（ＧＤＰ）による従来の測定値から遠ざけ、生態系等の非貨幣的な資源の価値や管理、またそれらが都市以外の場所にも及ぼす影響に直接関心を向けることだ、としている。

さらに、今後の課題として「貧困層等も含む社会全体に恩恵を与える、適切な（グリーンな）方向へ経済を導くガバナンス機構の構築」を指摘。そのためには適正な機関の創設と都市の組織的能力の向上が必要だと訴えている。