ハリケーンへの備えは楽しく、おいしく
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(イエス・マガジンより)
今日の社会・政治・環境的課題を取り上げ、健全な地球や活力のあるコミュニティづくりのビジョンとヒントを提供する米国の「イエス・マガジン」は6月19日付けの記事で、「隣人同士の関係が築かれている、レジリエンスのあるコミュニティが緊急時の備えとなる」として、ジャマイカ・プレイン・ニュー・エコノミー・トランジションの試みを紹介した。
同団体は、米国ボストン市のジャマイカ・プレイン地区でトランジション・タウン活動に取り組んでおり、この夏、「備えとしてのパイ・パーティ」(preparedness pie parties)という実験的な試みを行う。パーティでは、隣人たちは、お互いに知り合い、情報を共有し、連絡をとるべき高齢者や障害を持つ隣人を認識するほか、FEMA(米国連邦緊急事態管理庁)が公表しているような非常用品チェックリストを確認する。また懐中電灯や備蓄品の手配や、全員の名前と基本情報をまとめたリストづくりなどの自発的な活動や、「近隣マップづくり」(Map Your Neighborhood:ワシントン州で試験的に行われ、他州でも導入され始めている災害時に対応する9つのステップ)のプロセス確認なども行われるかもしれない。
近年、米国北東部が経験したサンディなどの着氷性暴風雨やハリケーンは、隣人たちが真の「第一応答者」であること、適度なネットワークづくりと備えが非常に大きな違いを生むことを明確に示した。
『災害ユートピア―なぜそのとき特別な共同体が立ち上るのか』の著者レベッカ・ソルニットは同書の中で、人々は逆境で驚くべきコミュニティ精神と寛容さを発揮することを指摘している。略奪や利己的な行動という恐ろしいイメージがよく報じられるが、それが普通なことではないのだ、と記事は紹介している。