世界の報道の自由度:日本は22位から53位へと大きく転落
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(国境なき記者団より)
国境なき記者団が2013年1月30日に発表した2013年度版「世界の報道の自由度(World Press Freedom Index)」ランキングによると、日本は前年度の22位から53位へと大きく転落し、その下げ幅はアジア最大であった。
報道の自由度は、国境なき記者団が世界180カ国にいるパートナーNGOや特派員、ジャーナリスト、研究者、法律専門家、人権活動家等に送った質問票の回答を基に、多元主義、メディアの独立性、透明性といった6つの基準とその年に発生したジャーナリストに対する暴力を加味して計算された。
日本が大転落した理由は、福島第一原子力発電所の事故に直接・間接的に関係する話題は独自取材してはいけないと当局が禁じているため。公な論争が抑え込まれていると不満を訴えたフリーのジャーナリスト数人は、検閲や警察による威嚇行為、司法からの嫌がらせを受けた。また排他的な記者クラブの存続により、近い将来の順位の大幅上昇は難しいかもしれない。
世界的には、「アラブの春」等の動きを受けて激しく順位が入れ代わった前年度と異なり、2013年度の指数は、各国政府の報道の自由に対する中・長期的な姿勢や意図をより反映したものとなった。トップ3とワースト3は前年度と同じで、それぞれ上からフィンランド、オランダ、ノルウェーと、下からエリトリア、北朝鮮、トルクメニスタンであった。最も順位を上げたのは75位のマラウィ(71位上昇)、アジアでは、ミャンマーが169位から151位へと躍進した。最も順位が後退したのはクーデター等で混乱に陥ったマリ(74位下がり99位)であった。
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http://en.rsf.org/press-freedom-index-2013,1054.html