米国人、時間のプレッシャーは減ったが幸福感は上がらない
Image by Travis Ruse. Some Rights Reserved.
http://en.wikipedia.org/wiki/File:NYC_subway_riders_with_their_newspapers.jpg
クオリティ・オブ・ライフの調査についての研究を掲載している『Social Indicators Research』誌は2013年9月号に、メリーランド大学社会学部教授ジョンP・ロビンソンの時間と幸せに関する論文を掲載している。
論文によると、一般的に社会では、少なくとも欧米諸国では日常生活のペースが加速していると考えられつつあるが、そのことを実証する経験的証拠はほとんどないようだ。
そこでこの論文では、1965年以降行われてきた米国の確率調査で「主観的な時間のプレッシャー」に関して定期的に尋ねた2つの質問の結果と、同じ質問を2009年と2010年の調査でそれぞれ尋ねた結果を考察している。
社会における時間的プレッシャーが徐々に高まっているとの一般的な見解に反して、「常に時間に追われている」と感じると答えた回答者は、2004年の調査から6~9ポイント減っていた。この減少は、雇用者にも失業者にも見られるため、単に失業者数が多いことによるものではないと言える。
また、時間のプレッシャーを感じている人々は相変わらず幸福感が少ないと答えているにもかかわらず、「とても幸せである」と感じる人々もこの期間に減っている。さらに、2009年、2010年の調査では、物質的状況や雇用など、幸せの重要な判断材料となるものが調節された後でも、時間的プレッシャーを感じる人々で、引き続き「あまり幸せではない」と答える人の数は増えている。「幸せ」とやや高い相関関係が見られたのは、余剰時間に関する質問だった。
- この記事の原文を読む(著者による要約より)
http://link.springer.com/article/10.1007/s11205-012-0133-6