2013.10.25
ブラジル:相対収入、格差、主観的幸福の関係
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http://en.wikipedia.org/wiki/File:Vista_a%C3%A9rea_Centro_do_Rio_de_Janeiro_RJ.jpg
クオリティ・オブ・ライフに関する研究結果を掲載している『Social Indicators Research』誌は、2013年9月号でブラジル、カンピーナス大学のアレクサンドル・ゴリ・マイア教授による主観的幸福と相対条件の関係を分析した論文を紹介している。
この論文は、ブラジルの自己報告による収入満足度と食料充足度の決定要因を分析したもので、こういった幸福の主観的測度が、相対条件にいかに影響を受けるのかを浮き彫りにしている。
分析は、2003~2004年および2008年~2009年のブラジルの家計調査データと、収入・食料満足度とさまざまな指標との関係予測に基づいている。
この論文では、より裕福な地域に住むことが、自己報告された「幸福感」に重要な影響を及ぼしていることに注目している。収入満足度は絶対的な世帯収入には大いに左右されるが、隣人との相対収入にはあまり左右されない。さらに、地域の教育と地域的不平等は収入満足度にも食料充足度にも影響を及ぼす。
論文は、個人の収入と教育を向上させるとともに格差を減らすことが、生活の質を向上させ、社会における全体的な幸福感を高める最も効果的な方法だと結論付けている。
- この記事の原文を読む (著者による要約より)
http://link.springer.com/article/10.1007/s11205-012-0135-4