世界の最富裕層85人で世界人口の下層半分相当の富を占める
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国際非政府組織(NGO)オックスファムは1月20日、2014年世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)での不平等拡大の阻止に必要なコミットメントの実現を求めて、「Working for the Few - Political capture and economic inequality(仮訳:少数のために働く―政治的争奪と経済的不平等)」を発表した。
同報告書によると、世界人口のわずか1%が世界全体の富の約半分(110兆ドル)を占め、世界の最富裕者85人の資産総額は世界人口の下層半分の総額と同じである。また、世界では10人中7人が、過去30年間に経済的不平等が悪化した国に住んでいる。オックスファムの1980年から2012年の記録によると、26カ国のうち24カ国で1%の富裕層の所得が増加した。
同報告書で、オックスファムは、ダボス会議の参加者たちに対して、タックスヘイブン(租税回避地)を活用した自国や投資および活動する国々での脱税や、市民の民主的な意思を損なう政治的便宜を求めることに経済的繁栄を使うことを禁止するように呼びかけた。
経済的不平等の悪化に歯止めをかけるための具体的な政策の立案は、各国の事情に合わせて検討するべきだとしながらも、経済的不平等を緩和させることに成功した途上国および先進国の例をよい出発点として、財政上の秘密保持と脱税の取り締まりなどを挙げた。