「GDP増加」にごまかされてはいけない
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(ニュー・エコノミクス財団より)
英国の第一四半期の国内総生産(GDP)速報値が2014年4月29日に発表されました。前年比プラス3.1%という数値は、GDPが成長軌道に戻ったことを示しています。しかしこの数値は、長期にわたる深刻な問題を隠してしまっています。
この数値からは見えない一つ目の問題は、「バランスを取り戻すこと」がなおざりにされていることです。2008年に経済全体を壁にぶつかった原因の一端は、サービス部門、とくに金融に依存し過ぎていたことでした。そこで英政府は経済のバランスを取ることを計画しました。しかし、英国の経済はサービス部門への集中を弱めるどころかますます強めています。
二つ目は、成長が実質所得の増加につながっていないことです。物価が賃金以上に上がり続けていて、大半の国民の実質所得はいまだに下がっています。
三つ目は、この成長をけん引しているのが家計の負債であることです。家計の支出は2012~2013年に2.4%上昇していますが、平均実質所得は下がっています。そのため、家計の支出は、貯金を減らし、借金をすることで維持されているのです。
つまり、経済は「回復している」というよりもむしろ「逆戻りしている」のです。
*この記事はnefのブログに掲載された記事からの要約です。
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