報告書:気候変動は様々な精神的影響を及ぼす
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(米国心理学会より)
米国心理学会と米国の気候変動対策推進団体「エコアメリカ(ecoAmerica)」は2014年6月10日、気候変動は米国民に様々な精神的影響を与え、その影響は気候変動の物理的影響の加速に伴い増大すると結論付けた報告書『暴風雨や干ばつの向こうに:気候変動の精神的影響 (Beyond Storms and Droughts: The Psychological Impact of Climate Change)』を発行しました。
同報告書によると、気候変動による精神的影響は、ストレス、不安、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の他、移住を強いられる場合の喪失感や無力感、地域社会のアイデンティティ喪失など幅広いものとなります。
また同報告書は、女性、子ども、高齢者は深刻で長期的精神的影響を受けるリスクが特に高く、インフラが不十分な地域社会は、物理的影響とそれに伴う精神的影響がより深刻になるとも報告しています。
さらに、ハリケーンや山火事、干ばつ等、気候変動関連の自然災害から受ける精神的影響を和らげるために個人や地域社会ができる備えについてもまとめています。たとえば、都市計画立案担当者や市の保健担当者に対し、災害の前・中・後に重要な社会支援資源となりうる町内会や宗教団体等、既存の地域社会や社会的ネットワークとの協力体制強化に資源を投入するよう提言しています。
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http://www.apa.org/news/press/releases/2014/06/climate-change.aspx - 報告書:『暴風雨や干ばつの向こうに:気候変動の精神的影響 (Beyond Storms and Droughts: The Psychological Impact of Climate Change)』
http://ecoamerica.org/wp-content/uploads/2014/06/eA_Beyond_Storms_and_Droughts_Psych_Impacts_of_Climate_Change.pdf