若い世代ほど「幸福度」低め――仕事のストレスが原因か
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2014年版の厚生労働白書によると、20~80代の男女を対象にした健康意識に関する調査で、若い世代ほど幸福度が低いことが明らかになりました。
白書によると、現在自分がどの程度幸せであるかを10点満点で尋ねたところ、65歳以上で6.92点だったのに対し、20~39歳が6.03点、40~64歳が6.25点と低い傾向にあり、特に男性にこの傾向が顕著に見られました。
不安や悩みを感じることの有無を尋ねる項目では、「いつも感じる」人と「ときどき感じる」人を合わせた割合は65歳以上では59.6%なのに対し、20~39歳では79.2%に上り、ここでも大きな差が見られました。不安や悩みの具体的な内容では、「自分の健康・病気」については年齢が上がるにつれて不安と回答する人の割合が増え、65歳以上では64.9%となっています。対照的に、「収入・家計・借金」と「生きがい・将来のこと」では、年齢が高くなるにつれて減っており、若い世代の方が、現在の生活やお金のこと、そして将来についても不安を抱えていることがわかります。
また、注目すべきは20~39歳と40~64歳の現役世代の男性でそれぞれ半数近くが「仕事上のこと」が悩みだと回答したことです。20~39歳の男性ではさらに「職場の人づきあい」をあげた人も35.7%に上り、両項目とも、同世代の女性や65歳以上の男性と比較して圧倒的に多い結果となりました。ちなみに不安や悩みについて女性の回答で比較的多かったのは「家族関係」「家事」「育児・出産」でした。
「職場の人づきあい」や「仕事上のこと」を不安や悩みに思う人の幸福度は上記10点満点で5.79点だったのに対し、これらの選択肢を選ばなかった人の平均点は6.59点と高く、厚生労働省は「仕事上のことをはじめとするストレスが、現役世代の幸福度を押し下げている」と分析しています。
調査ではまた、悩みを相談する相手として女性が配偶者以外の友人・知人にも相談することが多いのに対して、男性は配偶者以外に相談する相手があまりいないことや、休日の過ごし方としてドライブや小旅行・運動など外で活動的に過ごしたいと希望する人が多くいるものの、現実にはインターネット、テレビ・ラジオなど家の中で過ごす人が多いことも明らかになっています。