アジア太平洋経済社会調査報告書2015
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(国連アジア太平洋経済社会委員会より)
国連のアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)は2015年5月14日、2015年版の調査報告書を発表しました。報告書は、アジア太平洋地域の国々が、包括的な成長や持続可能な開発といった面を国内政策に組み込む必要があると論じています。
報告書によると、アジア太平洋地域の途上国の経済成長は、世界のほかの地域に比べて依然として順調であるものの、一部の国々におけるインフラ不足や一次産品への過剰依存といった構造的脆弱性のため、今後の成長は抑制される見通しです。また、世界経済の回復が安定しないことも、同地域の今後の成長を制約するとしています。
報告書はまた、主要経済国の国々の金融政策を考えると資本の流れや為替レートは今後、相当不安定になることが予想されるため、同地域の途上国は堅実な金融政策を取る必要があると呼びかけています。
報告書は、アジア太平洋地域の包括的な成長について、さまざまな貧困の状況が互いに強化しあうため、各国の政策は収入の不平等にとどまらず機会均等の促進にも焦点を当てていく必要があると強調しています。そのため、公共支出をより開発志向にし、質の高い教育や医療へのアクセス、社会的セーフティーネットなどに重点を置くよう勧告しています。また、生産的雇用を促すためには、中小企業や農業・農村部門にいっそう注意を払わなければならないとしています。