世界の消費動向は数々の記録を塗り替えつつある
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(ワールドウォッチ研究所より)
米国のワールドウォッチ研究所は、2015年9月に『邦題:地球環境データブック』(Vital Signs)の2015年版をリリースしました。この本は、さまざまな情報をもとに食料や農業、人口、エネルギー、気候などに関する世界の重要なすう勢について、わかりやすいデータと正確な分析を提供するものです。
この本によると、石炭から自動車、コーヒーに至るまで世界の消費レベルは過去最高を更新中だといいます。例えば、世界の食肉生産は過去50年間で4倍以上となり、その生産のために大量の水や飼料、抗生物質、放牧地を使うことから環境や健康に相当の負担をかけています。また、プラスチック製品の生産は過去50年以上増え続けているのに、リサイクル率は低く、ほとんどが埋立地や海に捨てられるため、生態系を汚染しコミュニティを破滅させています。ほかにも、コーヒーの生産は1960年代初め以降2倍となり、世界の自動車数は現在では10億台を超えているといいます。
この本のプロジェクト・ディレクターであるマイケル・レナー氏は「消費者はたいてい、自分の着ているTシャツや食べているステーキにどれほどの水が使われ、綿農家の人たちがどれほどの殺虫剤にさらされているのかといった詳細なフットプリントをわかっていない」として、「制約のない消費主義が多くの問題の中心にあるため、消費の選択は極めて重要である」と述べています。