2016.03.12
オックスファム報告書、『最も豊かな1%のための経済』
AN ECONOMY FOR THE 1%
http://bit.ly/1n6OfHv
(オックスファム)
オックスファムは2016年1月18日、『最も豊かな1%のための経済』と題する報告書を発表しました。現在、豊かな人と貧しい人の間の経済格差は甚だしいものになっています。この報告書では、この手に負えない危機的な不平等についての新たな証拠とともに、その理由などを考察しています。
報告書の主な内容を一部、ご紹介します。
- 2015年に「世界の最も豊かな62人」が所有していた富は、世界の貧しい方から半数の人々(36億人)が所有している富と同じでした。なお、2010年のこの人数は388人でしたから、ますます少数の豊かな人々に集中していることがわかります。
- 最も豊かな62人が所有する富は、2010年からの5年間で45%増加しました。金額にすると5,420億ドル増加して、1兆7,600億ドルに達しました。
- その一方で、世界の貧しい方から半数の人々が所有する富は、同じ5年間で1兆円以上、38%減りました。
富が一部に集中する傾向の背景には、ほぼすべての先進国と多くの途上国で、国民所得のうちの労働者の所得の割合が減っていることがあげられます。オックスファムは、世界の指導者たちに、最低賃金をあげて労働者と重役の報酬とのギャップを縮めること、タックスヘイブンの時代を終わらせるアプローチに賛同することを呼びかけています。
(新津 尚子)