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世界
2016.03.27

『人間開発報告書2015 人間開発のための仕事』

(国連開発計画より)

2015年12月に国連開発計画(UNDP)は『人間開発報告書2015 人間開発のための仕事』を発行しました。仕事は、経済的な豊かさの基盤であるとともに、生活の豊かさの基盤でもあります。また国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標8にも「働きがいのある人間らしい仕事をすべての人のために」との表現があります。

本報告書の刊行を記念して、東京では2016年3月14日に、人間開発報告書室長のセリム・ジャハーン氏を招いてのシンポジウムが行なわれました。ジャハーン氏の講演では、2015年版の報告書の「仕事」には、有償の仕事だけではなく、ボランティアや家事、芸術活動なども含まれること、そして仕事は人間開発を助けるものの、強制労働による人権の侵害に見られるように、仕事と人間開発との間のつながりは自動的に生じるわけではないことなど、報告書のポイントが取り上げられました。

また、「不均衡」も本報告書の重要なテーマの一つです。たとえばグローバリゼーションとデジタル革命により、現在では仕事内容が激しく変化しており、勝者と敗者が生み出されています。つまり、高い技能を持つ者(自動車業界なら新型車の設計や試験を手がける技術者など)と、低い技能しか持たない者(オフィスの清掃をする人など)の差が広がっているのです。

なお、人間開発報告書で発表された2015年の人間開発指数のランクの1位はノルウェー、2位はオーストラリア、3位はスイス。日本は20位でした。

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