地球規模で考え、地域で印刷しよう!
Guerrilla Translation
http://www.guerrillatranslation.org/
(Sharableのサイトより)
共有(シェア)について情報を発信しているSharableは2016年2月29日付けの記事で、スペインの翻訳協同組合ゲリラトランスレーションが始めた新たな取り組みを紹介しています。
ゲリラトランスレーションでは英語からスペイン語、あるいはその逆の翻訳を行っていますが、スペイン語にかかわる書籍は欧州と中南米で販売されることになり、大西洋を横断する輸送には多くの資源が必要になります。また、良い本は人間が丁寧に巧みに翻訳するべきですが、小規模の出版・印刷には時間も資源も必要になります。さらに、翻訳者にはボランティアではなく仕事に見合った支払いをしたいとゲリラトランスレーションは考えます。
そこで思い付いた方法が、コモンズ(資源の共同利用)の考え方を重視した、環境意識の高い新たな翻訳出版ネットワークです。ここでは、インターネットなどを通じて多数の支持者から少しずつ資金を収集するクラウドファンディングによって翻訳やデザインなどを行い、翻訳された文章を電子書籍のようにオンライン上で無料で提供します。一方で、実際の書籍をアルゼンチン、メキシコ、ペルー、スペインといった複数の地域で小規模に印刷し販売します。
これにより、集中型の生産や環境的に持続可能ではない地球規模の輸送を避けることになります。また、地域の製作者に書籍を印刷・販売する資格を与えると同時に、無料デジタル版によってコモンズに関する知見を増やすことにもなります。ゲリラトランスレーションは、今後はスペイン語だけでなくほかの言語にもこの取り組みを広げたいといいます。