ユニセフからのレポートカード(通信簿):先進国の子どもたちに広がる格差 日本の格差も深刻
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(国連児童基金より)
イタリア、フィレンツェ/米国、ニューヨーク発―国連児童基金(ユニセフ)は2016年4月、先進国の子どもたちの格差に関する報告書「イノチェンティ・レポートカード13子ども達の公平性」を発表しました。
報告書ではEUやOECDに加盟する41カ国を対象に、所得、学習到達度、主観的な健康状態、および生活満足度で、底辺層の子どもたちと平均的な子どもたちとの格差がどの程度あるのか(底辺の格差)に基づいて順位を付けています。
全体では、子どもたちの格差が最も小さかったのはデンマークで、最下位はイスラエルでした。41カ国のうち19カ国で、子どもたちの10%以上が、中央値の所得の半分以下で暮らしています。過去の結果と比べると主観的な健康状態の格差は大半の国で広がっていますが、運動や不健康な食生活、読解力の到達度では格差は縮小しています。
日本については、所得は41カ国中下から8番目、底辺層の子どもたちの世帯所得は中央値の約40%で、過去の結果と比べると格差は拡大しています。学習到達度については、順位付けの対象となった37ケ国中、下から11番目でした。
イノチェンティ研究所のサラ・クック所長は「各国政府は、すべての子どもたちの幸福度を高めることを最優先すべき」と述べ、報告書では「底辺の子どもたちの世帯所得の保護」「不利な状況にある子どもたちの学習達成度の改善」など、政府の取り組みを提言しています。