繊維業界で、循環経済に向けた新たな取り組みがスタート
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(エレン・マッカーサー財団より)
英国を本拠地とするエレン・マッカーサー財団は2017年5月11日、コペンハーゲン・ファッションサミットで、繊維業界の主要なステークホルダーを循環経済の構築に向けて集結させる新たな取り組みをスタートさせました。
この取り組みはH&MやNIKEといった企業パートナーの支援を受けており、参加企業は今後、現在この業界の主流となっている「資源の投入、生産、破棄」モデルの大きな欠点に対処する、世界規模の新たな繊維産業システムに向けたビジョンを共同で定義します。この新たなシステムは、循環経済の原理に則り、一般市民や企業にプラスとなる成長を生み出しながら浪費や汚染といったマイナスの影響を徐々に減らすものとなります。
財団は、2016年にはプラスチック業界で同様の取り組みを行い、ダボスで行われた世界経済フォーラムで報告書を発表し、メディアの関心を集めるなどの成功を収めました。その中で、参加企業間における市場競争以前の共同の考え方がいかに重要であるかが浮き彫りになったと言います。
繊維産業は、物質の採取から廃棄までのマテリアルフローが2番目に大きく、今日の世界経済の重要な要素となっています。衣類の生産量は過去15年間で2倍となり、衣服と履物の売上高は2016年には1兆6,700億ドルに達しました。しかし現在の衣類の生産、使用、再加工の方法は無駄が多く、財団はこの取り組みによって、新たな繊維産業システムに対する事実に基づく大胆なビジョンを策定することにより、業界全体に変化を引き起こしたいとしています。