格差縮小コミットメント指数:「不平等を低減するための政府の取り組み」についての新指数
(オックスファムより)
開発金融インターナショナル(Development Finance International : DFI)とオックスファムは2017年7月、世界152カ国の「政府の不平等縮小への関与」を順位付けした指数を発表しました。初となる「格差縮小コミットメント」(Commitment to Reducing Inequality : CRI) 指数のベータ版です。
CRI指数では、経済的不平等を縮小する政策のうち「教育・保険・社会保障への社会支出」「税制」「労働政策」の3領域について、政府の取り組みを測定しています。
結果は、1位がスウェーデン、2位がベルギー、3位がデンマークと、OECD諸国が上位を占めています。ただし報告書によると、豊かな国にも、さらに累進課税を進めるといった改善の余地があるとのことです。
CRI指数と伝統的な不平等指標との相違点をよく表す結果となったのはナミビアです。ナミビアは最も経済的不平等が大きな国の一つであるにもかかわらず、CRI指数は152カ国中40位と、アフリカ諸国でも上位に入りました。これはCRI指数が、不平等そのものではなく、ナミビア政府の不平等解消への関与――特に高いレベルの社会支出(中等教育の無償化)と、もっとも累進的な税制――を反映しているためです。
なお、日本は152カ国中11位。内訳をみると、「教育・保険・社会保障への社会的支出」は7位、「税制」は43位、「労働政策」は4位と、税制の順位が低いことがわかります。
(新津 尚子)
- 「格差縮小コミットメント指数」について詳しくはこちら(英語)
https://www.oxfam.org/en/research/commitment-reducing-inequality-index