（NCBIより）

米国の国立生物工学情報センター（NCBI）は2017年６月１日付の記事で、個人的要因や経済参加・社会参加と、幸福との関係を調査した研究を紹介しています。

記事によるとこの研究では、イラン西部の州で15歳から54歳までの772人を対象に、生活満足度や自尊心など幸福に関する項目と、カルチャーセンターや宗教儀式などでの積極的な活動といった公的な社会参加、家族や友人との良好なコミュニケーションなど私的な社会参加、学歴や雇用状況、収入といった社会経済的地位に関してアンケート調査が行われました。

調査の結果、幸福と重要な関係があるのは性別、配偶者の有無、両親の幸福、学歴、雇用状況、収入、自動車所有の有無、公的・私的社会参加であることが分かりました。また、持ち家の状況は、幸福とはあまり関係がないことも分かりました。

研究では、個人の社会参加がその人の幸福に大きく貢献しており、中でも家族や親戚、友人たちとの良好かつ心のこもった関係が、生活満足度や幸福にとって最も重要な要素であると結論づけています。また、収入が高ければ望みを楽にかなえられ、快適な生活が送れることから、収入の高い人たちは一生のうちに抱えるストレスや心配事が少ないとする一方、職のない人々は社会的孤立に直面するとしています。そのため、学歴が高ければ適切な仕事に就き、より高い収入を得て社会経済的な地位も高まることから、学歴の高い人も幸福感がより高いとしています。