研究結果:マンチェスター市が調達に使ったお金の行き先はどこか?
Manchester City Council Spend Analysis
https://cles.org.uk/wp-content/uploads/2018/03/MCC-sspend-analysis-201617-web-version_CLES-2018.pdf
(地域経済戦略センターより)
英国マンチェスターのシンクタンク地域経済戦略センター(CLES: the Centre for Local Economic Strategies)は、2018年3月5日、「マンチェスター市の調達のお金の行き先」についての2016年度の調査結果を発表しました。
CLESとマンチェスター市は、2008年から市の調達に関する分析を行っています。CLESの代表のニール・マッキンロイ氏と副代表のマシュー・ジャクソン氏にインタビューしたところ、マンチェスター市では、調達先を決める際の評価を、価格40%、質40%、社会的評価20%で行うようになったそうです。その結果、企業の地元調達やインターンの受け入れ、ボランティア活動などが進むようになり、以下のような変化が生まれています。
- マンチェスター市は、上位300の調達先に、4億4,560万ポンドを支払っています
- マンチェスターを本拠地とする組織への支払いは、2008年度には51.5%だったのが、2016年度には71.7%まで増えました
- 中小企業への支払いの割合は、2014年度は46.6%でしたが、2016年度は59.4%でした
上記の直接的な効果に加えて、以下のような間接的な効果もあります。
- マンチェスターでの推定705のインターン
- マンチェスターでの推定1,160の働き口
ジャクソン氏は、「お金の行き先を理解し、調達担当の職員の行動を変え、サプライチェーンに影響をあたえることを目指してきました。地域経済・社会・環境面でのより進展したアプローチが可能になっているのをみて、うれしく思います」と述べています。
(新津 尚子)