世界のプラスチックごみの現状と取り組み――国連環境計画、報告書を発表
Single-use plastics: A roadmap for sustainability
https://wedocs.unep.org/bitstream/handle/20.500.11822/25496/singleUsePlastic_sustainability.pdf
プラスチック製品のごみの問題が深刻化しています。国連環境計画(UNEP)が2018年6月5日に発表した報告書によると、プラスチック製品は世界全体で約90億トンが生産され、そのうちリサイクルで再利用されたのはわずか9パーセントにとどまり、それ以外は地中に埋められるか、捨てられています。ペットボトルのキャプや食品の包装、ストローやレジ袋などの使い捨てプラスチック製品は、地球環境への大きな脅威となっているのです。
プラスチックごみの大半は生物分解されずに、砕けて「マイクロプラスチック」と呼ばれる小さな粒子となります。レジ袋などは、数千年は自然界にとどまって土や水を汚染すると言われているほか、餌と間違えてカメなどの生物が誤飲し、生態系にも影響が及んでいます。また、途上国では暖房や調理でプラスチックごみを燃やすためにダイオキシンなどの有毒ガスが発生しています。
この問題を受けて各国で対策が進められています。使い捨てプラスチック製品を規制している国は60カ国以上あり、その30パーセントが規制導入一年後にレジ袋の消費が大幅に削減されました。消費者が自主的にプラスチック製品の利用を減らす取り組みも広まっています。
日本は、プラスチック包装の一人当たりの生産量が米国に次いで2位となる一方で、規制がなくても効果的な廃棄物管理や人々の意識の高さが奏功し、プラスチックごみが自然環境に漏れることは比較的制限されていると評価されました。
(佐々 とも)
- 報告書「使い捨てプラスチック:持続可能性のためのロードマップ」の原文はこちら(英語)
https://wedocs.unep.org/bitstream/handle/20.500.11822/25496/singleUsePlastic_sustainability.pdf