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2018.08.30

「解き放たれる協同組合――英国の協同組合部門の規模を2倍にする」

(ニュー・エコノミクス財団より)

2018年7月3日、英国の独立系シンクタンクであるニュー・エコノミクス財団(NEF)は、「解き放たれる協同組合(*)」という報告書を発表しました。英国経済は40年の間、資産と資本、そして富が上流層や外部に向かって流れる一方通行の状態になっています。企業の所有者と、その他の利害関係者との間で利益の不均衡があることも少なくありません。

こうした形態とは一線を画す経済を目指すものが協同組合です。この報告書では、英国の協同組合部門の規模を2倍にする方法について考察されています。最近の研究によると、協同組合は他の事業形態と比べて、市場が崩壊した際の耐久性やレジリエンスが高いうえに、収益も多く生産的で、幸福感が強く、長続きすることが明らかにされています。

英国で協同組合が盛んにならなかった理由としては、法律や政策、組織的な支援や助言、インセンティブや広告の欠如が挙げられています。

NEFは調査結果に基づき、英国の協同組合の規模を2倍にするために、以下の5段階の計画を提案しています。

1.協同組合のための新しい法的枠組み
2.協同組合に関する計画にあてる資金
3.新たな協同組合開発庁を通じて協同組合の可能性を深める
4.企業の所有権の改革(既存のビジネスの協同組合化を加速する)
5.コミュニティの富を構築する構想を加速する

また、全ての株主が、少額の利益を、労働者によって管理される基金に預ける「包括的所有権基金」(Inclusive Ownership Fund)と呼ばれる政策も提案しています。

*労働者協同組合とは、働き手が誰かに雇われるのではなく、自分たち自身で組合に出資し、労働と経営を行う組織のことです。

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