世界の資源使用量は2060年までに倍増する
Global Material Resources Outlook to 2060
http://www.oecd.org/environment/global-material-resources-outlook-to-2060-9789264307452-en.htm
(経済協力開発機構より)
経済協力開発機構(OECD)は2018年10月22日、『2060年までの世界物質資源アウトルック(The Global Material Resource Outlook 2060)』のプレビュー版を発表しました。
これによると、2060年には、世界人口が100億に達し、一人当たりの平均所得も増加するため、世界の資源使用量は現在の90ギガトンから167ギガトンまで増える見込みです。こうした問題に具体的な行動をおこさなければ、バイオマス、化石燃料、金属、非金属鉱物といった資源の採掘・加工の増加により、大気・水質・土壌汚染が悪化し、気候変動に重大な影響を及ぼす恐れがあります
今日消費されている資源で半分以上を占めている砂、砂利、石灰石、砕石といった非金属鉱物と他の資源を合わせると、平均的な家庭が消費する資源量は、1日当たり浴槽1杯分に相当し、この量は、今後ますます増えると見られています。報告書では7種類の金属(鉄、アルミニウム、銅、亜鉛、鉛、ニッケル、マンガン)と3種類の建築資材(コンクリート、砂、砂利)が環境に及ぼす影響について分析しており、それによると、酸化、大気・水質汚染、気候変動、エネルギー需要、ヒトの健康、水・土の毒性などの分野で深刻な影響が見られます。
化石燃料の採掘・燃焼、鉄鋼・建築資材の生産はすでに大気汚染と温室効果ガス排出の主な原因となっています。排出削減のための新たな政策を導入しない限り、資源管理による総排出量は、CO2換算で現在の28ギガトンから2060年までには50ギガトンに増加すると報告書は述べています。