多様な食料を摂取することの大切さ
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(英国王立芸術・製造・商業振興協会より)
私たちは口にする食料の75%以上をたった12種の植物と5種の動物に頼っています。農家の人々は収穫量を増やすために在来種の牛や穀物を捨て、遺伝子的に単一のものを育ててきました。農業における多様性の消失に伴い、生態系の多様性に依存する他の未収穫の動植物も消失します。
例えば、現在先進国で消費されるバナナのほとんどは、180年前に栽培されたキャベンディッシュ・バナナという単一のクローンから作られています。この遺伝的均一性がバナナを、収穫量の減少につながる植物病の危険にさらします。さらに、遺伝的多様性の欠如は食料の安全保障を損ねるだけではなく、人々の健康にも良くありません。世界で3人に1人は微量栄養素欠乏症であり、重要なビタミンや栄養素が不足しているのです。
また、腸内細菌の多様性の欠如と肥満や2型糖尿病などの病気との関連性も証明されています。腸内細菌のしくみは複雑ですが、その健全性は多様な食べ物の摂取と強く結びついています。近年、都市化に伴い利便性や加工食品への需要が高まり、人々の食事は穀物類や油脂類に偏りました。
現在、生物種の絶滅は自然な絶滅の割合の1,000~10,000倍に上ると推定されています。多くの土地が農業に使用されていることから農業のやり方は、生物多様性を維持し、人類がプラネタリー・バウンダリーの範囲内で生活する力に大きな影響を与えます。今、重要なのは人間の健康と地球の健康を同等に重視するフードシステムに向かう方法を考えることです。