（国際労働機関より）

今、世界では技術進歩に伴う必要スキルの変化、グリーン経済化、脱炭素化などさまざまな変革が起きていますが、そういった変革の中に労働者の生活の質を上げ、男女格差を減らし、世界的不平等を解消するためのチャンスがたくさんあります。こうしたチャンスを掴むためには労働者側も政府側も全力で取り組み、労働者が経済発展の共有や権利の尊重を認められる必要があります。

そのために、ここで提案する「人間を中心に据えた取り組み」には３つの柱があります。１つめは、人間の能力への投資を増やすことです。これは、人々がスキルを身につけたりスキルアップするために生涯学習する権利を与えられること、学生が社会人になるときや高齢者が働くときなど移行期に人々を支援する組織や政策に投資すること、女性の声を尊重し、暴力や嫌がらせを撲滅して男女平等を実現すること、社会保護を強化することなどです。

２つめは、労働に関する制度への投資を増やすことです。これは、すべての労働者が基本的権利や適切な生活賃金を享受するための共通の労働保証（Universal Labour Guarantee）を確立すること、労働時間に対する労働者の主権を拡大すること、労使団体の活動を促進することなどです。

最後は、持続可能で働き甲斐のある仕事への投資を拡大することです。これは、男女平等を促したり中小企業に新たな機会を提供する投資にインセンティブを与えること、人類の発展や幸福の探求に向けてビジネス構造を変化させていくことです。