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世界
2019.05.17

EUにおける水産資源乱獲の実態

EUにおける水産資源乱獲の実態

LANDING THE BLAME: OVERFISHING IN THE NORTHEAST ATLANTIC 2019
https://neweconomics.org/2019/02/landing-the-blame-overfishing-in-the-north-atlantic-2019

(ニュー・エコノミクス財団より)

2019年2月11日、英国のニュー・エコノミクス財団(NEF)は、欧州の漁業の実態を調査した報告書『LANDING THE BLAME: OVERFISHING IN THE NORTHEAST ATLANTIC 2019(仮訳:責任を釣り上げる――北東大西洋における水産資源の乱獲2019年版)』を発表しました。

毎年、農林水産大臣など各国の漁業部門の閣僚によって、国ごとの商業用漁業資源の漁獲可能量(TAC)が決められます。漁獲量に関しては、国際海洋開発理事会(International Council for the Exploration of the Sea:ICES)を中心とした科学機関が、漁業資源の状況について情報提供し、最大漁獲量の水準を提案しています。しかし、交渉が非公開であることから、こうした科学的助言は無視され乱獲が続いています。

同報告書がこれまで2001年から2018年における、EUの海域について合意されたTACを分析したところ、平均して3分の2が科学的助言に基づく水準を上回って設定されていたことがわかりました。

2019年のTACについては、55カ国のTACが助言を上回って設定されており、超過分の総量は31万2000トンに上ることが明らかになりました。北東大西洋諸国の中で、TACが科学的助言を超過している割合が高い上位3カ国は、スウェーデン、英国、アイルランドとなっています。超過している総量では、英国、デンマーク、アイルランドが上位3カ国を占め、こうした国々にはEUの持続可能な漁業への移行を妨げている責任があると言えます。

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