2019.06.16
オンライン上で行われる仕事:柔軟な働き方ができる一方で、賃金は低い傾向−−ILOが報告書を発行
Digital labour platforms and the future of work
https://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/---dgreports/---dcomm/---publ/documents/publication/wcms_645337.pdf
(国際労働機関より)
国際労働機関(ILO)は2018年9月に、報告書『Digital Labor Platforms and the Future of Work(仮訳:労働のデジタル・プラットフォームと仕事の未来)』を発表しました。
近年、専用のウェブサイトで簡単な仕事を行いたい人を募集する「マイクロタスク・プラットフォーム」を用いた働き方が広がっています。この報告書はILOが2015年と2017年に75カ国のマイクロタスク・プラットフォームを用いて働くクラウドワーカー3,500人を対象として行ったもので、こうした働き方の実態とともに長所・短所を明らかにしています。
主な結果は以下のとおりです。
<働き手>
- 調査対象となったクラウドワーカー(以下、クラウドワーカーと記す)の平均年齢は33.2歳
- 20%は大学院卒であるなど、高学歴者が多い
<理由>
- クラウドワークを選んだ理由は、「副業として」が32%、「家で働きたいから」が22%
- クラウドワーカーのうち、働き方に影響を与えるような健康上の問題を持つ人は10%
- 女性のクラウドワーカーのうち5人に1人に、0歳から5歳までの子どもがいる
<収入>
- クラウドワーカーの32%にとって、クラウドワーキングが主な収入源
- 米国のアマゾンメカニカルタークで働くクラウドワーカーのほぼ2/3は、米連邦の最低賃金(時給7.25ドル)以下しか得ていないなど、賃金は低い
- 1時間の有償労働に対して平均20分を「仕事を探す」「認定試験を受ける」「レビューを書く」といった無償労働に費やしている
(新津 尚子)
- Digital labour platforms and the future of workの本文はこちら(英語)
https://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/---dgreports/---dcomm/---publ/documents/publication/wcms_645337.pdf