（ニュージーランド政府より）

ニュージーランド政府は、2019年５月30日、初となる「幸福予算」について詳細を発表しました。

ニュージーランドは現在、経済的に大きく成長していますが、その恩恵をすべての国民が受けているとは言えません。より多くの国民に、幸福の可能性を与えるには、国が抱える、心の健全性の危機や子供の貧困、不平等といった長期にわたる問題に取り組む必要があります。こうした複雑な問題は、従来のやり方では通用しません。「幸福予算」への取り組みは、従来とは異なる新しいプロセスのスタートです。

「幸福予算」は、次の３つの方法で実行されます。

１．政府機関の縦割り型手法を廃し、幸福を向上させるための政策の評価や実行に、政府全体で取り組む
２．現代世代の要求に応える結果に注力するとともに、将来世代にとっての長期的な影響を考える
３．財政や自然資本、国民、コミュニティなどの健全性を初め、 達成を測る幅広い指標で進捗を追跡する

また、「幸福予算」は、ニュージーランド人の生活に、影響を及ぼす可能性が高い「心の健全性」「子供の幸福」「マオリとパシフィカの人々の願望」「生産性のある国家の構築」「経済の転換」の５つを優先領域としました。

今回、予算配分の決定に、初めて幸福の分析が用いられました。ニュージーランド政府は、根本的な変化には時間がかかるものの、「幸福予算」がその大きな一歩となるよう力を尽くすとしています。