ベーシックインカムを支持する経済学者がノーベル経済学賞受賞!
Left : Esther Duflo Photo by Kris Krüg. Right : Abhijit Banerjee Photo by Financial Times Some Rights Reserved.
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Esther_Duflo_-_Pop!Tech_2009_-_001_(cropped).jpg
(Basic Income Earth Networkより)
ベーシックインカムを支持する経済学者、エステル・デュフロ氏とアビジット・バナジー氏が、マイケル・クレマー氏とともに2019年のノーベル経済学賞を受賞することが決まりました。
バナジー氏は2016年の段階で、インドで貧困を減らし、腐敗を断ち切って官僚組織を最小限にするための手段としてベーシックインカム政策を擁護していました。その後、2019年に行われたインドの総選挙で、国民はベーシックインカムの実施を真剣に考える国民会議派ではなく、与党であるインド人民党を支持しました。しかし、バナジー氏をはじめとする地位ある研究者たちがベーシックインカムについて研究し、発信し続けていたため、インド国内でベーシックインカムに関する議論が終わることはありませんでした。
今回の受賞発表のすぐ後に、バナジー氏とデュフロ氏の共著『仮邦題:困難な時代のための優れた経済学』(Good Economics for Hard Times)が発表され、2人はその中で次のように述べています。
移民や不平等、グローバル化、技術的破壊、成長の鈍化、加速する気候変動は世界中で大きな不安の種となっています。こうした課題に取り組むために必要なものはそろっていますが、私たちに足りないのは、意見の相違や不信といった人々を隔てる壁を飛び越えるためのアイディアです。もし課題の対処に成功すれば、将来、私たちの時代は感謝とともに思い出されるでしょう。失敗すれば、潜在的損失は計り知れないものになります。