民間部門に引けを取らない公共部門のイノベーション
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(英国王立芸術・製造・商業振興協会より)
公共部門と言えば、現代社会から遅れているイメージがありますが、実際にはそうでないことが分かりました。
変化を実現するための解決策を実践する英国の王立芸術・製造・商業振興協会(RSA:Royal Society for the Encouragement of Arts, Manufactures and Commerce)は、英国の勅許公認会計士からなる国際的会計組織ACCA(Chartered Certified Accountant)と協力して、公的財政におけるイノベーションについて調査を実施しました。140カ国以上から4000人の回答を得た結果、民間部門の90%に対して、公共部門では91%でイノベーションが実施されていることが明らかになりました。
公共部門の財務で行われるイノベーションには、賃金体系など人事に関連するもの、データや技術に関連するもの、プロセスに関連するもの、という3つの領域があることが分かりました。
公的財政で人事に関連するイノベーションが行われていることは意外に見えますが、調査回答ではイノベーションが必要とされる最大の理由として技術と能力の不足が挙げられています。
また調査から、公共部門がより急進的なイノベーションを支持していることも分かりました。財務分野の急進的なイノベーションの例としては、米国ボルティモア市が導入した成果別の予算編成や、仏国パリ市の市民参加型予算などが挙げられます。
イノベーションから縁遠いイメージのある財務ですが、こうした事例から変化を促進する上で重要な役割を担っていることが分かります。
- この記事の原文はこちら(英語)
https://www.thersa.org/discover/publications-and-articles/rsa-blogs/2019/11/innovation-public-sector - 報告書の全文はこちら(英語)
https://www.accaglobal.com/vn/en/professional-insights/pro-accountants-the-future/innovation_in_public_finance.html - (参考)パリ市の市民参加型予算について(日本語)
https://www.ishes.org/cases/2015/cas_id001722.html