2020年版世界ジェンダーギャップ報告書:日本の男女格差、政治・経済分野で依然として解消されず
世界ジェンダーギャップ報告書2020年版
http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2020.pdf
世界経済フォーラムは2019年12月17日、2020年版世界ジェンダーギャップ報告書を発表しました。今回は世界153カ国を対象に、教育・健康・経済・政治の4分野でジェンダーギャップ(男女の格差)を指数化し、ランキングしています。
日本の順位は121位(スコア0.652)で、前回の110位(0.662)から順位が下がりました(スコアは0から1の値をとり、1に近づくほどジェンダーギャップが小さくなる)。しかも先進7カ国では最下位で、最も男女格差が大きいことになります。
分野別では、教育が91位(0.983)、健康が40位(0.979)で、スコアを見ると1に近いため男女格差が小さいことがわかります。順位がそれほど高くないのは、全体的に多くの国の格差も小さいためです。
しかし経済と政治では、日本での男女格差は依然として開いています。報告書が指摘するように、経済ではわずかに格差が縮まったものの、順位はかなり低いままです(今回115位、0.598/前回117位、0.595)。とくに管理職やリーダーの女性が占める割合はわずか15%で131位、所得は男性の半分(108位)という点から、職場における待遇の違いはあきらかです。また政治は144位(0.049)となり、女性議員(衆議院)の割合は10%(135位)で世界最低レベル。過去50年間に女性の国家元首がいた国は68カ国ですが、日本で女性の首相は出ていません。女性の社会進出に向けた環境づくりが急がれます。
(佐々 とも)
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http://www3.weforum.org/docs/WEF_GGGR_2020.pdf - 関連記事:2018年版世界ジェンダーギャップ指数:日本は特に政治分野でのギャップが大きい
https://www.ishes.org/happy_news/2019/hpy_id002585.html