伝統を用いて、現代の問題を解決する
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http://www.snpo.kr/bbs/board.php?bo_table=meetshare_prj&wr_id=140
(シェアラブルより)
韓国ソウル市にある恩平区シェアリングセンターは、コミュニティにおけるシェアリングエコシステムの拡大を目的に、教室や材料、道具を地元住民に提供しています。
一番人気は「レンタル」です。住民は年に数回しか使わない、住宅リフォームの道具やキャンプ用品などを、小売り原価の3%で借りられ、場所やお金が節約できます。また、「レンタル」の過程では、ちょっとした会話やつながりが生まれるため、コミュニティメンバーの関係性に極めて重要なことがわかっています。
知識の共有も奨励しています。編み物や木工など、メンバーは、自分が持っている技術や他人と共有したいと思っているものなら何でも、教室やセミナー、ワークショップで教えることができます。
またセンターは、ワークショップやイベント用スペースの提供も行います。例えば、センターはコミュニティ・パートナーとともに、ソウル市の公共施設の屋上を利用した屋上フェスティバルをコーディネイトしています。こうした屋上活用は、都会で問題となっている「孤独や孤立」の蔓延を阻止する1つの方法ともなり、「つながり」に向けた期待が高まっています。
このように、ソウル市の住民は、センターのコミュニティイベントを通して、互いにつながり直し、自立への新しいスキルを学んでいます。センターのこうした取り組みは、コミュニティにとっての新しい伝統を生み出しているというより、「労働の共同」「製品の共有」といった祖先の農業生活によって形成された伝統を復活させていると言えます。
※この記事は2019年12月にShareableに掲載されたCasey O'Brien氏の記事(Using ancient values to solve modern problems at the Eunpyeong Sharing Center)の要約です。