米国の公共図書館、「物のライブラリー(Libraries of Things)」でシェアリングエコノミーに貢献
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物のライブラリーは、ガーデニング用品やボードゲーム、食品乾燥機など「物」をそろえているライブラリー。今、米国の公共図書館に多数出現し始めています。
バーリントン市にあるフレッチャー・フリー図書館の非従来型「物」のライブラリー(LONT: The Library of Non-Traditional Things)は特にユニークなコレクションを持っています。LONTは20年ほど前、道具のライブラリーとして控えめに始まりましたが、その後、打楽器のジェンベやウクレレのような楽器、エアーコンプレッサー、雪かき用シャベルや鋤などの道具、スポーツやアウトドア用品、さらに様々な台所用品まであらゆる種類の物をそろえることで規模を拡大してきました。
「LONTでは、ほとんど何でも借りることができますが、その目指すところはシェアリングエコノミーの支援です。そうすれば、何でもかんでものべつ幕なしに買う必要がなくなります」と図書館員のウェブ氏は語ります。
図書館での「物のライブラリー」併設は、拡大するにつれて書籍と違った目録作成の難しさや、梱包方法、さらには盗難といった問題も出てきました。しかし知へのアクセスで、すでに公平さを強化してきた公共図書館は、生活必需品の他にも、生活に喜びや意味を与える物へのアクセス拡大に恰好の施設と思われます。
こうした動きは、「所有する文化」への挑戦を通して、「ゴミ処理場を溢れさせ、気候変動を増大させる消費」という果てしなき循環を覆す重要な要素にもなります。そして、おそらくこれが最も大切ですが、「街のコモンズ(共有財)」の拡大に役立ち、コミュニティに連帯感を与えます。
※この記事は2020年2月にShareableに掲載されたRobert Raymond氏の記事(Public libraries are expanding the sharing economy by adding Libraries of Things to their catalogs)の要約です。